高給なのは一握りのキャリアだけ、公務員の大半は普通のサラリーマンです。
皆さんが抱く暇で高給取りの公務員イメージを払拭するべく、ノンキャリ国家公務員のかわいそうな実生活を大暴露していきます。
今、公務員人気が高まっているらしい。いや、「らしい」というよりも、確実に公務員人気は高まっている。「景気が悪くなると公務員人気が高まる」というのは、もはや定説とさえ言えるだろう。
新聞の紙面では、資格学校の公務員コースが大人気だとか、地方公務員や警察官の臨時募集に、定員の何十倍もの応募があったとか、昨今の公務員人気を証明するような記事が目につく。
書店でも公務員試験の本がよく売れているそうだし、テレビドラマではないが、主婦同士の間では、「ご主人が公務員なんてうらやましい」という会話が、そしてリストラ寸前のサラリーマンの間では、「公務員は気楽でいいよな」という会話がよく交わされている……気がする。
しかし、その一方で、昨年話題になった居酒屋タクシー問題や、公務員バッシングによく使われる公務員宿舎問題など、公務員に対する批判が後を絶たないのも事実だ。
ただ私からすれば、タクシー運転手が、お得意様にサービスをするのは(違法なものでない限り)、サービス業として当たり前の話だし、仕事で終電を逃してしまったらタクシーで帰るのはしかたのないことだ。むしろ問題なのは、タクシーでの深夜帰宅が日常化するような就労状態や、そんな就労状態にもかかわらず、高いタクシー代をかけて帰らなければならないところに宿舎があることのバランスの悪さにあると思う。しかも宿舎は意外とオンボロが多い。
私の感覚が正しいかどうかはともかく、とにかく公務員は叩かれやすい。でも、「叩かれる」ということは、裏を返せば「嫉まれている」ということでもあるわけで、つまりは、日本全国でかなり多くの人が公務員をうらやましいと思っていると考えていいのではないだろうか(もちろん、公務員になりたいと思っているかどうかは別の話だ)。
一般的に公務員をうらやむという場合、(1)給与や福利厚生がいい、(2)仕事がラク、(3)安定している(クビにならない)という3つの理由によるところが大きいと思われる。実際、この3つの理由で公務員を志望する人は少なくないだろう。
公務員とひとくくりに言っても……
でも、ちょっと待ってほしい。本当に公務員とはそんなにオイシイ職業なのだろうか? たしかに、この厳しいご時世、民間企業より公務員のほうが多くの面で恵まれているというのは間違いないだろう。
……と書いて気がついた。私は何を根拠に「公務員は恵まれている」と言ったのだろうか? 自分でもよくわからない。
公務員といっても、たとえば警察官や消防士、地方の市役所や町役場の職員から霞が関の高級官僚までもが含まれる。そして、市役所の職員の中にも技術、土木系の仕事、事務系の仕事と様々な仕事がある。事務系の仕事といっても、たとえば役所の窓口業務と予算策定に関わる仕事ではまったく違う。さらに、同じ予算策定に関わる仕事だとしても、地方の市役所と霞が関とでは、まったく仕事の内容も忙しさも違うはずである。
ここまで多種多様にわたる仕事が「公務員」という言葉でひとくくりにされている。この実態を無視して「公務員は……」と言ってしまっていいのだろうか?
今回、小社より発行した『公務員入門』の中で、著者の山本直治氏はこう書いている。
「公務員が恵まれているという意見に疑いを持たないみなさんには信じられないかもしれませんが、実のところ、2008年の秋以来、世界中が大不況に突入しているにもかかわらず、自ら公務員を辞めたい(辞めなければならない事情がある)という人はいなくなっていません。むしろ少しずつではありますが、北海道夕張市のような役所の経営破たんのおそれなどによる公務員の雇用不安も高まっているのが現状です」
恵まれているはずの公務員になったのに、自分から辞めたいと考える人が少なからず存在する……。なぜだろうか? それは、世の中に流れている公務員についての情報が、様々な意味でゆがんでいるからだと山本氏は指摘する。つまり、そうしたバイアスに引っかかり、本来は公務員に向かない人、目指すべきでない人までもが、伝えられる虚像を信じて公務員になってしまっているのだ。
不幸な公務員を生み出さないために
実際、山本氏は自らが主宰するウエブサイト『役人廃業.com』を通じて、自発的に公務員を辞めたい人を支援するための情報を提供するとともに、数百人にもおよぶ公務員退職希望者やすでに公務員を辞めた人に会ってきたという。
必死で勉強し、難しい試験をパスして公務員になったのに……、これほどの悲劇はない。しかも、これは本人だけの問題ではない。本来、公務員に向かない人が公務員になれば、その人から不本意な形で公共サービスを受け、さらには彼らのために税金から給料を出さなければならない国民、つまり私たち自身も不幸なのだ。
こうした問題意識から、『公務員入門』では、公務員の給料や待遇、仕事の実態のほか、職業としての向き・不向きなどについて、中立的な立場から情報提供を行っている。公務員になろうかと考えている人、子どもを公務員にしようかと考えている親に向けて、適切な進路選択のための材料として役立てていただくために、公務員という職業の長短両面をバランスよく紹介させていただいた。
不幸な公務員の排出防止はもちろん、公務員の待遇や仕事のあり方を考えるためにも、ぜひ手に取っていただければ……。(ダイヤモンド社より)
十分実態を知っていますのでこの本を読もうとは思いませんが、この筆者は、歪んだ公務員のイメージを良くご存じです。
一括りに公務員といっても、内容は様々です。
そろそろ公務員バッシングをやめなければ、人材の流出はさけられません。
新聞の紙面では、資格学校の公務員コースが大人気だとか、地方公務員や警察官の臨時募集に、定員の何十倍もの応募があったとか、昨今の公務員人気を証明するような記事が目につく。
書店でも公務員試験の本がよく売れているそうだし、テレビドラマではないが、主婦同士の間では、「ご主人が公務員なんてうらやましい」という会話が、そしてリストラ寸前のサラリーマンの間では、「公務員は気楽でいいよな」という会話がよく交わされている……気がする。
しかし、その一方で、昨年話題になった居酒屋タクシー問題や、公務員バッシングによく使われる公務員宿舎問題など、公務員に対する批判が後を絶たないのも事実だ。
ただ私からすれば、タクシー運転手が、お得意様にサービスをするのは(違法なものでない限り)、サービス業として当たり前の話だし、仕事で終電を逃してしまったらタクシーで帰るのはしかたのないことだ。むしろ問題なのは、タクシーでの深夜帰宅が日常化するような就労状態や、そんな就労状態にもかかわらず、高いタクシー代をかけて帰らなければならないところに宿舎があることのバランスの悪さにあると思う。しかも宿舎は意外とオンボロが多い。
私の感覚が正しいかどうかはともかく、とにかく公務員は叩かれやすい。でも、「叩かれる」ということは、裏を返せば「嫉まれている」ということでもあるわけで、つまりは、日本全国でかなり多くの人が公務員をうらやましいと思っていると考えていいのではないだろうか(もちろん、公務員になりたいと思っているかどうかは別の話だ)。
一般的に公務員をうらやむという場合、(1)給与や福利厚生がいい、(2)仕事がラク、(3)安定している(クビにならない)という3つの理由によるところが大きいと思われる。実際、この3つの理由で公務員を志望する人は少なくないだろう。
公務員とひとくくりに言っても……
でも、ちょっと待ってほしい。本当に公務員とはそんなにオイシイ職業なのだろうか? たしかに、この厳しいご時世、民間企業より公務員のほうが多くの面で恵まれているというのは間違いないだろう。
……と書いて気がついた。私は何を根拠に「公務員は恵まれている」と言ったのだろうか? 自分でもよくわからない。
公務員といっても、たとえば警察官や消防士、地方の市役所や町役場の職員から霞が関の高級官僚までもが含まれる。そして、市役所の職員の中にも技術、土木系の仕事、事務系の仕事と様々な仕事がある。事務系の仕事といっても、たとえば役所の窓口業務と予算策定に関わる仕事ではまったく違う。さらに、同じ予算策定に関わる仕事だとしても、地方の市役所と霞が関とでは、まったく仕事の内容も忙しさも違うはずである。
ここまで多種多様にわたる仕事が「公務員」という言葉でひとくくりにされている。この実態を無視して「公務員は……」と言ってしまっていいのだろうか?
今回、小社より発行した『公務員入門』の中で、著者の山本直治氏はこう書いている。
「公務員が恵まれているという意見に疑いを持たないみなさんには信じられないかもしれませんが、実のところ、2008年の秋以来、世界中が大不況に突入しているにもかかわらず、自ら公務員を辞めたい(辞めなければならない事情がある)という人はいなくなっていません。むしろ少しずつではありますが、北海道夕張市のような役所の経営破たんのおそれなどによる公務員の雇用不安も高まっているのが現状です」
恵まれているはずの公務員になったのに、自分から辞めたいと考える人が少なからず存在する……。なぜだろうか? それは、世の中に流れている公務員についての情報が、様々な意味でゆがんでいるからだと山本氏は指摘する。つまり、そうしたバイアスに引っかかり、本来は公務員に向かない人、目指すべきでない人までもが、伝えられる虚像を信じて公務員になってしまっているのだ。
不幸な公務員を生み出さないために
実際、山本氏は自らが主宰するウエブサイト『役人廃業.com』を通じて、自発的に公務員を辞めたい人を支援するための情報を提供するとともに、数百人にもおよぶ公務員退職希望者やすでに公務員を辞めた人に会ってきたという。
必死で勉強し、難しい試験をパスして公務員になったのに……、これほどの悲劇はない。しかも、これは本人だけの問題ではない。本来、公務員に向かない人が公務員になれば、その人から不本意な形で公共サービスを受け、さらには彼らのために税金から給料を出さなければならない国民、つまり私たち自身も不幸なのだ。
こうした問題意識から、『公務員入門』では、公務員の給料や待遇、仕事の実態のほか、職業としての向き・不向きなどについて、中立的な立場から情報提供を行っている。公務員になろうかと考えている人、子どもを公務員にしようかと考えている親に向けて、適切な進路選択のための材料として役立てていただくために、公務員という職業の長短両面をバランスよく紹介させていただいた。
不幸な公務員の排出防止はもちろん、公務員の待遇や仕事のあり方を考えるためにも、ぜひ手に取っていただければ……。(ダイヤモンド社より)
十分実態を知っていますのでこの本を読もうとは思いませんが、この筆者は、歪んだ公務員のイメージを良くご存じです。
一括りに公務員といっても、内容は様々です。
そろそろ公務員バッシングをやめなければ、人材の流出はさけられません。
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バッシングに屈せず
正直自分の周りでマスコミの情報を真に受けている人は少ないと思います。マスコミも視聴率アップに命を掛けていますので、受けの良い公務員ネタを出しているに過ぎません。
所詮、情報は表現の仕方によっては良くも悪くもなるのですから。
本気で公務員をバッシングしているとは考えにくいのではないでしょうか。
所詮、情報は表現の仕方によっては良くも悪くもなるのですから。
本気で公務員をバッシングしているとは考えにくいのではないでしょうか。
Re:バッシングに屈せず
いやいや、私の周りでは公務員のイメージは”楽”そのもののようです。
非常勤職員が最近、新しい人に変わり、「公務員ってこんなに忙しいとは思いませんでした・・・」と一言。
マスゴミが形成した間違った世論はなかなか、やっかいですね。
非常勤職員が最近、新しい人に変わり、「公務員ってこんなに忙しいとは思いませんでした・・・」と一言。
マスゴミが形成した間違った世論はなかなか、やっかいですね。
バッシングが不気味になってきました。
気にするな、胸を張れといわれても、それが10数年に及ぶと自分の何かが地味に削れていきます。特に身近な人間(幼馴染、昔の同級生、親戚)からのこまごまとした悪意には。親友と思っていた人の口癖が公務員がどうのになり、10数年後病気したとき公務員税金泥棒的メールいただきましたよそんな人じゃなかったのに・・・。バブルがはじけて不景気の間にずいぶん憎悪や悪意が醸成されてきたな、という感じがします。
Re:バッシングが不気味になってきました。
これもすべてマスゴミの悪意ある情報操作による間違った世論形成のせいです。
いい加減、いやになりますね・・・
いい加減、いやになりますね・・・